2026年10月3日 令和8年度9月定例会議一般質問「災害から県民の暮らしを守るための備えと支援について」
おはようございます。滋賀県議会議員の野田武宏です。
先にご紹介した通り、令和8年度9月定例会議の一般質問2日目に登壇し、「災害から県民の暮らしを守るための備えと支援について」をテーマに質問しました。
その内容は翌日10月2日の中日新聞に掲載されました。そこでいつも通り、より詳細な内容につても紹介させていただきます。
東日本大震災以降、那智勝浦、熊本、真備、能登、福井など、そして米原や大津の土砂災害も含め、被災地でのボランティア活動に参加する中で、災害への備えは制度をつくるだけでなく、実際に必要な人へ支援が届き、既存の住宅や施設が使える状態になっているかが大事だと感じてきました。今回はこうした問題意識から、いくつかの論点について県の考えを伺いました。特に重要だと感じた答弁を中心にご報告します。
まず、災害で亡くなった方の遺族に最大500万円が支給される「災害弔慰金」についてです。対象となる配偶者には、婚姻届がなくても「事実上婚姻関係と同様の事情にあった方」が含まれますが、国は昨年9月、同性パートナーも対象になり得ることを明確にしました。同性のパートナーと暮らす方の中には関係性を周囲に知られたくない方もおり、災害直後に一から説明や資料集めを求められることは大きな負担になりかねません。そこで、県内市町への周知・運用状況や、県のパートナーシップ宣誓書受領証を確認資料として活用できるよう市町に働きかけるべきではないかと質問しました。
県からは、昨年9月30日付けの内閣府の解釈変更を受け、県として10月1日に全市町へ通知し周知を図ったとの答弁がありました。また、パートナーシップ宣誓書受領証についても、市町独自の制度の有無にかかわらず確認資料の一つとして活用できることを、今後市町に周知していくとのことです。確認方法まで含めて方針が示されたことは一歩前進だと感じており、実際に事案が出てきた際の運用を今後も確認していきます。
次に、災害時の住まいの確保と公営住宅について伺いました。能登半島地震などでの応急的な建設型住宅には、1戸あたり平均約1,700万円もの費用がかかっており、限られた公費を有効に使う観点からも、公営住宅など既存の住宅ストックを平時から確保しておく視点が重要です。そこで県営住宅の目的外使用の戸数を質問したところ、県からは令和8年9月1日時点で18戸との答弁がありました。熊本地震で4,303戸、能登半島地震で6,882戸の建設型住宅が整備されたことを踏まえると、この戸数で十分なのか議論の余地があると感じています。修繕を先送りすれば費用がかさむ可能性もあるため、災害時にすぐ活用できる住宅を少しでも多く確保するよう、修繕や設備整備を進めることを求めました。
あわせて、自治会館や寺院・神社、マンションなど地域にすでにある施設の防災活用についても取り上げました。県の把握では、指定避難所以外の「協定および届出等避難所」として市民ホール・公民館等が202施設、宗教施設が8施設あり、備蓄物資が常設されている施設は指定避難所とあわせて593箇所とのことです。県からは、指定避難所や協定・届出避難所を増やす国の指針や宗教施設との連携に関する国の通知を市町に周知するとともに、今後は民間施設との連携について先進事例の情報提供を行い、市町とともに研究していくとの答弁がありました。あわせて、避難所となる県立学校体育館の空調整備の重要性もお伝えしました。
ペットとの同行避難についても伺いました。同行避難できるか分からず避難をためらう方もおり、人の安全にも関わる問題です。県が令和5年12月に行った調査では、指定避難所854箇所のうち510箇所で同行避難が可能とされる一方、「ペットが過ごす場所の具体的な検討が進んでいない避難所が多い」との課題があるとのことです。これを受け、県は「災害時ペット同行避難ガイドライン」の見直しに向けて、国のガイドライン改訂案をもとに市町との議論を始めるとともに、広域的な連携のあり方も検討していくとの答弁がありました。
水害への備えについても質問しました。県は本年、「地先の安全度マップ」を更新し、443の中小河川を含む新たな洪水浸水想定区域図も公表しています。このマップは、一級河川だけでなく身近な水路の氾濫も考慮し、降雨規模に応じた浸水の深さなどを示したもので、市町のハザードマップはこれに避難場所などの情報を加えたものです。前回の更新では市町ごとに反映時期にばらつきがあったことから、今回の更新内容をできるだけ早く住民に届けるよう質問したところ、県からは、全市町が令和9年3月末までに更新を終える予定で、配布方法を検討中の4市町を除く15市町で全戸配布を予定しているとの答弁がありました。停電時にも使える紙のハザードマップの配布についても、引き続きの後押しをお願いしました。
最後に、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)にある既存住宅への支援について伺いました。移転や改修を支援する制度があるものの、県内での直近5年間の利用実績はゼロとのことでした。単に需要がないと受け止めず理由を検証すべきと考え重ねて質問したところ、住宅移転の支援制度を整備している市町は1市、改修の支援制度を整備しているのは5市町にとどまり、多くの市町で制度自体が整っていないことが課題だとの答弁がありました。これを受け県からは、市町へ改めて通知を行うとともに、年内を目途に県が直接各市町に出向いて制度の必要性と導入効果を説明し、全市町での制度整備を目指すとの答弁がありました。利用実績ゼロという実態が、具体的な期限と目標を伴う県の取り組みにつながったことは、今回の質問の大きな成果の一つだと考えています。
今回の質問を通じて、災害弔慰金の同性パートナーへの対応や、土砂災害区域の既存住宅支援制度の整備など、具体的な期限や目標を伴う前向きな答弁を引き出すことができました。一方で、公営住宅の確保や避難所の多様化など、まだこれから市町との議論が始まる段階のものも多くあります。答弁を受けて終わりにするのではなく、実際にどこまで取り組みが進んだのか、今後も確認していきたいと思います。
野田武宏
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