2026年8月7日 子どもの安全を守り、支える現場をどう支えていくか
こんばんは。滋賀県議会議員で教育・子ども若者・警察常任委員長を務める野田武宏です。
8月5日に開かれた教育・子ども若者・警察常任委員会について、所管ごとの所感を全3回に分けてお伝えしています。
2回目は、子ども若者部についてです。
この日は、議第93号「滋賀県児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備および運営に関する基準を定める条例等の一部を改正する条例案」について審査しました。
今回の改正には、こども性暴力防止法の施行に伴い、保育所や認定こども園などの設置者に対して、子どもと接する従事者の犯罪事実確認など、児童を性暴力から守るために必要な措置を求める内容が含まれています。
子どもの安全を守るために必要な制度であることは言うまでもありません。
一方で、犯罪歴を確認する仕組みをつくれば、それだけで子どもを守れるわけでもありません。日常の中で違和感やSOSを見逃さない体制、職員への研修、相談しやすい環境、万が一問題が起きた際の迅速な対応など、現場で実際に機能する仕組みにしていくことが重要です。
制度の施行は令和8年12月25日とされています。県から市町や各施設への周知を丁寧に行い、現場が戸惑うことなく対応できるよう準備を進める必要があります。

また今回の条例改正では、一定の条件のもとで、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などを1人に限り保育士等として算定できるようにする改正も盛り込まれています。
障害のある子どもや医療的ケアが必要な子どもを含め、多様な子どもたちを受け入れるために専門職の力を生かしていく考え方には意義があります。
ただし、専門職にはそれぞれ本来担うべき役割があります。保育士不足を補うためだけの仕組みとして使われてしまえば、本来の制度趣旨とは違うものになりますし、給与水準などを考えたときに、そもそも専門職を十分確保できるのかという現実的な課題もあります。
制度を作るだけではなく、本当に現場で活用できるのか、子どもにとってより良い支援につながるのかを見ていく必要があります。
委員会では、保育所や認定こども園などで働く職員の退職手当共済について、公費助成の現状維持と継続を国に求める請願第8号についても審査しました。
保育の現場では、以前から人材確保や定着が大きな課題となっています。こうした中で退職手当の条件が後退すれば、さらに人材確保を難しくする可能性があります。
請願第8号は、委員全員の賛成で採択すべきものと決定され、関連する意見書についても委員会から委員長名義で提出する方向となりました。
あわせて、「ドナーミルクの利用拡大を求める意見書案」についても、委員全員の賛同を得て、委員会提出として進めることとなりました。
ドナーミルクは、早産などにより母親から十分な母乳を得ることが難しい場合に、母乳バンクを通じて寄付された母乳を必要とする赤ちゃんに届ける仕組みです。意見書案では、ドナーミルクの法的位置付けの明確化、母乳バンクの運営や検査等への支援、ドナー登録の周知拡大などを国に求めています。
私自身も以前、「リトルベビーサークル 滋賀のCOAYU」の皆さんから、ドナーミルクや母乳バンクについてお話を伺う機会がありました。
COAYUでは、小さく生まれた子どもとその家族が「ひとりじゃない」と感じられるよう、当事者家族同士の交流や情報共有、写真展や講演などの活動に取り組まれています。また、滋賀県では県内4つのNICUでドナーミルクを使用でき、4つの病院でドナー登録ができる一方、母乳バンクそのものはまだ十分に知られていないとして、継続的な啓発活動にも取り組まれています。
以前から当事者や支援に関わる方々から直接お話を聞いていたテーマだけに、今回、県議会から国に対して利用拡大や支援を求める意見書を提出する方向となったことには、私自身も大きな意味を感じています。
また、子ども議会などで寄せられた子どもたちの意見についても、単に「聞きました」で終わるのではなく、実現できるものは施策につなげ、難しいものについても、なぜ難しいのかをきちんと返していくことが必要です。
子どもの声を聞くことと、その声を県政に生かすことは別の話です。
意見を聞く機会を増やすだけではなく、「自分たちの意見がどう扱われたのか」が子どもたちに伝わるところまで含めて、子どもの意見反映だと思います。
子どもの安全を守る制度、現場を支える人材、そして子ども自身の声。
それぞれを別々の課題として扱うのではなく、子どもが安心して育つことのできる環境をつくるために、つなげて考えていく必要があります。
次回は、警察本部所管の審査について、大津北警察署の移転新築や、暴力団追放推進センター、特流・半グレ等への対応、警察の情報発信などを中心にお伝えします。
野田武宏
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