2025年9月4日 令和7年6月定例会議06月23日一般質問全文
◆14番(野田武宏議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団、大津市選挙区、野田武宏です。
それでは、デジタル広報外注業務の評価と運用体制の整備について、一問一答方式でお聞きいたします。
デジタル化の時代は日々進み、AIが様々な業務を代替するような時代が目前に迫っています。実際、SNSの広報業務や情報発信の現場においても、AIによる文章作成や画像作成が活用されるようになっています。この議場のやり取りも、このタブレットのボタン1つで文字に起こしてくれるというわけです。
しかし、一方で、空気を読む、場の文脈を察する、表情に出ない住民の不安を感じる、そうした人間にしかできない力もまた、広報の根幹をなす重要な能力であることを忘れてはなりません。
先日、議場で小川議員の質問から、孤独や孤立について県からの答弁がありましたが、私は人は根源的には1人を望まない生き物だと考えています。人間は本質的に社会的動物です。
アメリカのジュリアン・ホルト・ランスタッド博士らが行ったメタ解析では、孤独や社会的孤立は死亡リスクを26から32%も増加させることが示され、高い危険性があるとされています。すなわち、孤独は単なる寂しさではなく、生理的なストレス要因として身体に深刻な影響を及ぼすことを私たちは理解した上で、表面的に発信されている1人を求めている人たちに寄り添っていくべきだと考えます。
孤独や孤立が時に命を危険にさらす深刻な問題だということを人間は本能的に理解し、常につながりを求めてきました。その結果として支持されてきたのがSNSというつながりのプラットフォームというわけです。実際にSNSを通じて誰かとつながっているという感じ、孤独や孤立を軽減したり支えられている人々が確かにいます。
こうしたつながりの場だからこそ、そこに行政が発信するという行為には、単なる情報提供を超えた価値があります。時にはその発信が命を救うことだって、その逆だってあるかもしれません。行政広報には、伝わる力に比べて、住民の声に耳を傾け、場の空気や不安の機微を読み取り、共感を介して発信する力、まさに人間にしかできない力が求められる時代なんだと言っても過言ではない、そう思います。何せ、大丈夫と答えた背景にある真意はAIに酌み取ることはできないので。
デジタルツールはあくまで手段であり、住民と信頼関係を築くための媒介にすぎません。その手段を効果的に使うには、職員自身の力量や戦略、そして適切なルールや評価軸が必要です。
そのような認識の下、今回は、本県におけるSNSを中心としたデジタル広報の在り方、特に外注業務の発注や評価体制の課題について伺います。
本県にはインスタグラムをはじめ様々なSNSが存在し、業務の一部は外注で運営されていると仄聞しています。
そこで、まず、令和6年度のSNS運用業務の外注件数、支出額等の状況について、知事公室長に伺います。
○議長(目片信悟) 14番野田武宏議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事公室長(園田三惠) (登壇)お答えいたします。
本県が情報発信に活用していますSNSとして、X──こちら、旧ツイッターでございます──、フェイスブック、インスタグラム、LINE、ユーチューブの5種類がありますが、その数は令和6年度末で合計208件あり、このうち外部委託件数は28件でございます。
また、SNS運用業務を含む委託事業全体の支出額は、合計で約2億5,000万円でございました。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
イベントなどを含めた委託業務の中にSNSの運用も含まれるケースもあり、それぐらいになるかと思いますが、問題は、単に幾ら使っているかではなく、その発注がどのような基準や判断で行われているかという点になります。
過去の一般質問で、DX推進に当たっての主な役割と必要なスキルを整理しているところという答弁をいただいていますので、まだ県庁内で誰がどんなデジタルスキルを持っているかの把握はできていないことを認識しています。
しかし、そうなると、SNSやデジタル広報の外注をする際に、担当する県職員が専門的な知識や経験を十分に有していないケースは容易に想定できます。そのことで発注時の判断や契約条件の設定が不十分になる可能性はあり得ますし、下手するとその上長でもその判断ができない可能性も十分に考えられます。
これ、システム面の構築などになると、DX推進課が一定関与したり、評価、選定のアドバイスなんかもできるんですけど、当然ながらSNSは新たなシステムの構築なんかではないので、既にある既存のサービスの外注依頼ということで、その役割を担ってないのが現状と仄聞しています。
そうなると、デジタル系に関してはよく分からないから分かりそうな若い世代に任せようなんて、安易に若者の業務が増えかねないわけです。このパターンは学校現場でも見受けられ、若手教員の業務ボリュームを増やす一因になっているようですが、できないものはできない、知らないものは知らないと言いながら、年齢関係なく互いが互いをリスペクトしながら学んでいくことが大切だと考えます。それらを踏まえると、本来は人事評価にデジタル要素は欠かせない時代になっているのではないでしょうか。
さて、次に、SNS運用を外注する際、どのように発注先を選定し、契約時の成果目標、いわゆるKPI等を定めているのか、知事公室長に伺います。
◎知事公室長(園田三惠) お答えいたします。
知事公室で所管しております8件のSNSにつきましては、全て職員が運用しており、委託はしておりませんが、県から外部に委託する際には、企画力や手法、実施体制など、それぞれの事業の目的達成に必要な要素を評価項目とし、それに基づいた事業者の選定を行っております。
併せまして、仕様書等において、発信回数やフォロワー数の増加など、必要な数値目標を定めているところでございます。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
これは同じSNSの発信に関わる外注業務でも、評価項目や事業者選定の基準がそれぞれの担当課に委ねられているので、知事公室所管の内容をお答えいただいたんですが、担当課に委ねられ過ぎると、例えばインスタグラムの運用を外注する際に、仕様間に大きな違いが生まれてしまう可能性があるんですね。そうすると、同じKPIだとしても、価格にばらつきが生まれてしまったりとか、例えば、高過ぎるところがあるとそちらに集中してしまって、安価な案件をなかなか受け入れてくれるところがなくなってしまう、そういう可能性もあるかと思います。
外注においてどのような基準で発注先を選び、どのような成果を求めているのかを確認することは、業務の質を確保する上で欠かせません。しかし、実際には担当課のスキルによっては、KPIだけにとどまってしまったり、業者任せで運用の検証が行われていなかったりするケースもあり、費用対効果が不透明なままになっている可能性があります。
近年の調査研究では、SNSやウェブ広報などデジタル広報について、発注段階でのKPI設定やPDCAサイクルを意識した運用が重要であるとの指摘が多く見受けられます。とりわけ費用対効果の観点からも、成果の見える化が求められる傾向がありますが、本県におけるこうした視点での取組状況について、知事公室長に伺います。
◎知事公室長(園田三惠) お答えいたします。
御指摘のとおり、PDCAサイクルを意識して取り組むことは非常に重要であると考えておりまして、令和7年3月に改定いたしました滋賀県広報戦略に、新たに重視する視点としてマーケティングの視点を位置づけました。現在、デジタル媒体での閲覧状況等のデータからその効果等を把握し、次の広報に生かしております。
例えば、委託事業であるデジタル広報紙の「web滋賀プラスワン」におきましては、アクセス数、フォロワー数のみならず、読者から自由に意見を述べてもらえる投稿フォームを設置し、その意見を反映した新たな記事の掲載につなげているところでございます。
議員がおっしゃられたとおり、費用対効果を意識しながら、これからも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
閲覧状況等のデータから効果を把握しということですが、つまり、今までの紙媒体であれば分からなかったことが数字として出てきてしまう時代なんですね。
紙だと何ページ目が一番長く見てもらったのかというようなことは分からないんですが、ウェブサイトなどのデジタル媒体になると、ページの滞在時間や閲覧数が容易に分かってしまう。これは何も別に特別目新しい技術ではなくて、アナリティクス的な力すらほぼ必要ない。
だからこそ、様々な情報を公開しないといけない時代になってきているんですが、こうしたKPIやPDCAといった評価の枠組みを意識した運用は、単なる内部管理にとどまらず、住民に対する説明責任もつながるものです。
そのためには、業務の成果を単に担当部局内で完結させるのではなく、誰もが見て分かる形で見える化し、外注の意義や効果を説明できる状態にすることが求められます。
そこで、次に、現在、本県ではSNSやウェブ外注業務の成果をどのような形式で見える化し、職員の判断や県民への説明責任につなげているのか、報告の具体的な手段について、知事公室長に伺います。
◎知事公室長(園田三惠) お答えいたします。
今年度から、広報、広聴レポートを毎月作成し、広報の成果や好事例について、県庁内で共有を図っているところでございます。
例えば「web滋賀プラスワン」については、開幕直前の大阪・関西万博の記事を動画も使って発信し、公開から約3週間で1万2,000回以上の再生回数を獲得するなどの好事例をレポートで紹介いたしました。
また、子ども若者部所管のしが・めぐりあいサポートセンターしが結におきましては、事業の成果をパブリシティやSNSで県民に発信し、さらなる事業効果の向上に努められていると伺っております。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
実は、SNSの話でいうなら、アカウントを見てみると簡単に、動画が何万回転しているとか、いいねが10個しか付いていないとかが分かるので、それを共有するだけでも、極端なことを言うとKPIの見える化ができてしまうんですが、本当にそれだけでいいのかなということを踏まえて、様々な方法をぜひ検討していただきたいと思います。
併せて、もう一歩踏み込んで考えるべきは、何を成果とみなすかという評価の中身そのものです。単なる投稿数やクリック数など表面的な数値では、本当に住民の行動変容につながったのかまでは測れません。さらに、こうした数値は、ツールによる捜査や外注業者による水増しといった不正リスクも存在します。
そうなると、最終的な目標に至ったのかを正確に見極めるには、職員側にも一定の知識と検証スキルが求められます。そして、実際にどれだけの住民が情報を受け取った後に問合せをしたのか、申込みを行ったのかという実効性をどう評価するかは、広報の質を左右する極めて重要な視点です。
そこで、次に、県における評価体系がこうした住民の最終アクションを重視する観点を含んでいるのかについて伺います。
兵庫県では、広報外注業務における成果は、投稿数やクリック数ではなく、県民の情報取得後の最終アクション、つまり問合せや申込みなどで評価すべきと明示しています。
そこで、本県には同様の視点を組み込んだ評価体系があるか、知事公室長に伺います。
◎知事公室長(園田三惠) お答えいたします。
広報に係る明確な評価体系はございませんが、議員御紹介の兵庫県の広報ガイドラインと同様に、本県では、広報に関する基本的な方針を定めた滋賀県広報戦略を策定し、共感、参加につながる信頼の広報に取り組んでいるところでございます。
この戦略では、閲覧状況等のデータからその効果等を分析して活用することを掲げており、例えば、今年度から滋賀県公式Xにおいて、各投稿の閲覧数やいいね数等の反応に加え、投稿に対してユーザーがどれだけ反応したかを示す割合であるエンゲージメント率を把握し、効果的な広報の参考としているところでございます。
今後も、こうした取組を通じて、直営、委託に関わらず、広報の成果を意識した発信に取り組んでまいりたいと考えております。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
明確な評価体系はないということで御答弁いただきました。その上で、いいね数などのエンゲージメント率を把握してというお話だったと思います。
もちろんそれも大事なんですが、県のSNSを外注する際には、その他の企画と併せて発注しているケースが多いことからも、別にいいねを増やすことが最終目的ではないケースが大半だと思うんですね。
例えば、このイベントに来てほしいからSNSを使って告知するとか、アンケートに答えてほしいからSNSを使って告知をするとか、最終目的、いわゆるKGIについては、5,000いいねがついても参加者3人のイベントだったら、KPIは達成できても本来の最終目標のKGIは達成できないわけです。
しかも、その上で、把握しやすいエンゲージメント率は、さきにも軽く触れたんですが、改ざんされる可能性もあると。
例えば、アカウントを大量につくっていいねを押したり、ユーチューブ動画をひたすら見るプログラム組んで回転数を上げるということは、そこまで難しいことではありません。もちろんSNS側でも年々対策を組んでいるので、ユーチューブなどは一定の条件の下で不正に再生された動画の回転数は、後日その回転数を減らしたりする対策を取っています。ただ、そうした知識がないと、外注業者がうちの動画は1万回転させましたと言って出してきた成果が、後日見たら10回転ぐらいになってるなんてこともあり得るわけです。
ただ、イベントに参加する人の水増しみたいなものは、費用対効果とか様々な観点から見ても容易ではないので、KPIではなく、KGIをどこに置くのかという、どう評価するのかということは大変重要になってくるわけです。
ちなみに、当然のことながら、閲覧してもらうということがKGIになるというアカウントももちろんあるとは思います。
評価指標の在り方が重要である一方で、忘れてはならないのが、それらの評価や業務全体のマネジメントを担う職員自身のデジタルスキルです。SNS、デジタル広報に関する専門知識、判断力が乏しいままでは、たとえ優れた指標や契約があっても適切に運用することは困難です。
SNSは一見すると誰でも簡単に使えるツールに見えますが、実際に突き詰めていくと、広報戦略、表現技術、リスク管理、コミュニケーション設計など、幅広く高度なスキルが求められる分野です。また、誤った投稿や炎上といったリスク対策の場面では、瞬時の判断や現場感覚が求められるため、一定の経験やスキルが必要です。
こうした観点から、外注の質を高める上でも、職員のデジタルリテラシーの向上や育成方針が極めて重要となります。
そこで、次に、県として研修や人材育成に関する基本的な考えを伺います。
外注業務の評価や誤った投稿、炎上時の対応など、危機対策を適切に行うには、職員のデジタルリテラシーの向上が不可欠ですが、本県として研修方針や育成施策はどのように考えられているか、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) (登壇)お答えいたします。
急速なデジタル化が社会全体で進む中、行政においても即応するため、滋賀県職員人材育成・確保基本方針に「デジタル変革に対応した行政の実現を目指し、全庁を挙げて更なるシステムの内製化やデジタル化の推進を図るため、デジタル人材の育成に取り組む」と位置づけております。
さらには、滋賀県DX推進戦略に基づく研修計画によりまして、全職員を対象としたマインドセット研修に加えまして、課題解決スキルやデジタルスキルを磨くための研修を実施することにより知識と意識を底上げし、全庁を挙げてデジタル化を進めております。
デジタル広報は、比較的手軽に、紙面などの制約も少なく、頻度を上げて発信でき、また、反応をつかみやすいなどのメリットがある一方、情報格差、セキュリティリスク、炎上リスクなどの留意すべき側面もありまして、それらの特性を十分理解し、より効果的に発信できるよう、ルールの周知徹底を図るとともに、スキルアップ研修を実施しているところでございます。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)デジタルリテラシーの向上に関してお取り組みいただいているとのことで、ありがとうございました。
ここからも分かるように、研修の内容でもあるんです。つまり、リテラシーが低いと、軽い気持ちで担当を任された若手職員の投稿によって炎上してしまう可能性がある、そういうツールなんですね。手軽に使えるからとはいえ、そこに大きなプレッシャーを感じながら従事している方もいらっしゃるかと思います。それを一層評価していくべきだと考えます。
併せて、デジタルの育成といっても、システム面なのか、データ面なのか、UIなどのデザイン面なのか、ガバナンス的な話なのか、多岐にわたるわけです。
私は情報技術を専門に学び、芸術のある大学に行ったので、システム面とデジタル面の双方のデジタルについて最低限の知識を有しているつもりではありますが、家の設計をする建築士と内装を担当するインテリアコーディネーターの仕事が全く異なるように、デジタルのシステムを学んだ人が必ずしもデジタルデザインの知識を持っているかというと、そういうわけではない。
東京都のデジタルサービス局が戦略や事業、サービス、基盤、セキュリティなどに分かれているように、本来はもっとDX推進課に力を入れていかないと、表面的に取り繕っていくことは簡単なんですが、今は時代や外圧がそれを許さないので、ウェブサイトを不正にアクセスされたり簡単に書き換えられてしまうのかなとも思います。
デジタル広報を支える職員の育成、スキル向上は不可欠ですが、それと並行して見直すべきは、県全体としての広報の在り方だとも考えます。時代の変化とともに誰でも手軽に発信できる時代になりました。それは行政も同じで、現在はSNSアカウントが各部局単位で開設され、運用している状況が見受けられますが、明確な評価体系がない中で、全庁的な戦略やガバナンスが十分に機能しているとは言い難いのが実情です。戦略なき発信は、かえって情報の分散や県民への混乱を招くおそれがあり、情報の質と一貫性を担保する上でも、全庁的な視点からのマネジメント体制が求められます。
現在、SNSが各部局単位で増加している一方、全庁的な統一戦略や管理責任の所在が曖昧であるとの指摘もありますが、県全体としての広報戦略の方向性、管理体制について、明確な方針を知事公室長に伺います。
◎知事公室長(園田三惠) お答えいたします。
デジタルシフトとともに情報発信媒体が多様化する中、発信内容と届けたい対象を踏まえた適切な媒体の選択や、職員のSNS活用スキルの向上などの課題認識に基づき、昨年度末に広報戦略を改定したところでございます。
この戦略に基づき、全庁組織が一体となってSNSを含む広報を着実に展開するため、各部局の企画員等で構成する広報戦略会議を設置し、応答性を備えた広報サイクルの構築に取り組みながら効果的な発信をさらに推進してまいりたいと考えております。
また、SNSアカウント開設につきましては、管理責任者の設置や、情報セキュリティの確保など、遵守すべき統一的な条件を定め、各所属において適切に運営することとしております。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
実際の運用に目を向けると、SNSをはじめとした広報業務が個別に外注され、その基準や評価方法が部局ごとに異なるまま進められている現状があります。外注の妥当性や成果を適切に判断するには、県全体として統一的なルールや運用基準の整備が不可欠であり、これは発注の質にも直結する重要な課題です。
また、同じSNS発注業務でも、目的や対象によって必要とされる手法やリソースは異なるため、当然ながら費用にも差が生じます。にもかかわらず、その費用の妥当性を判断するための明確な評価基準が現状では定まっておらず、これは適切な予算執行を担保する上でも課題だと思います。
職員のスキルや経験値にばらつきがある現状を踏まえると、標準的な評価軸やチェック体制をあらかじめ共有することが質の担保と透明性の両立につながると考えます。
そこで、こうした外注業務に関する評価基準やルール整備の必要性について、県としての考えを伺います。
現在、SNS等の広報業務が個別に外注されている一方で、発注基準や評価方法について統一ルールが県全体として整備されているとは言い難い状況です。一方で、発注時の基準だけではなく、決算、そして次年度の予算につなげるという意味では、今後は外注後の評価基準のようなものが必要かと思いますが、県としての考えを知事に伺います。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
先ほど来、答弁、公室長等がしておりますが、滋賀県の広報戦略においては、県民の意見やニーズを県政に反映していくことや、県民の理解と信頼を得る広報を行っていくこと、選ばれる滋賀になるための情報発信をすることを目指して、様々な取組をしているところでございます。
また、その実現に向けては、SNS等デジタル広報にも取り組むとともに、それぞれの事業目的に応じた数値や反応、こういったものを把握しながら、評価等に結びつけているところでございます。
議員がおっしゃったように、発注後の評価基準をどう持つのかっていう視点も必要なのかもしれませんし、当然その前にそれぞれの能力レベルを併せて高めていく。技術等も日進月歩いたしますので、そういったものに合わせて対応していくことも必要ではないかと思います。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
これまでの質疑を通じて外注業務の評価の在り方や職員の育成、ルールの整備など、デジタル広報をめぐる多くの課題が明らかになってきたと思います。SNSをはじめとするデジタル広報手法は今後ますます重要性を増していくと考えられますが、こうした広報をどう評価するのか、また、その業務を担う職員のスキルが本当に足りているのかなど、課題は山積していると思います。
そこで、最後に、SNSを活用した広報全般について、知事自身の課題認識と今後の県としての方向性を伺います。
◎知事(三日月大造) お取り上げいただきましたように、人が人と、また、社会とつながるためのツールとしてのこのソーシャルネットワークサービス──SNSをどのように使っていくのか。リスクもあるじゃないか、様々な知識能力レベルもまちまちじゃないかという課題がある一方で、こういう課題はむしろ可能性でもありますので、それらを高めることで、ニーズや欲求をどのように充足させていくのか、また、様々な声をどのように反映させていくのか、また、ある意味では、持ってる価値をどのようにつくり、また、社会や世界に浸透させていくのかという、こういう可能性もあると思いますので、その可能性を伸ばすためにその活用の在り方について一緒に考え、当然行政が行う発注でありますので、その予算をどのように確保するのか、そのための基準をどう持つのか、やった成果をどのように評価していくのかという、そういった基準づくりなども必要になってくると思います。
ますます発展してまいりますので、使わないという選択肢はほぼないのかもしれませんが、人が人にしかできない力をどのように育んでいくのか、人が人と共に育む力をどのように考えていくのかという視点を持ちながら、このデジタル広報の発注業務等にも取り組んでまいりたいと存じております。
◆14番(野田武宏議員) (登壇)終わります。(拍手)
○議長(目片信悟) 以上で、14番野田武宏議員の質問を終了いたします。
