Blog活動日誌

2024年11月10日 令和6年9月定例会議09月27日一般質問全文

◆8番(野田武宏議員) (登壇、拍手)おはようございます。チームしが 県議団、立憲民主党所属、代表ではないほうの野田です。本日から始まる一般質問のトップバッターとなります。よろしくお願いします。
1月1日に発生した令和6年能登半島地震により甚大な被害を受けた奥能登地方に、9月21日、線状降水帯が発生、25日には死者は計11名となりました。お亡くなりになられた方に対しまして深くお悔やみを申し上げるとともに、全ての被災された方々に対して心よりお見舞いを申し上げます。

さて、兵庫県では、公益通報を中心に、兵庫県知事の言動が大きな話題となっています。
この問題の経緯を報道ベースで振り返ると、3月12日、西播磨県民局長──以後、元局長と称しますが──が一部のマスコミや議員に文書を配布したことから始まります。その後、兵庫県知事は、元副知事など幹部らに作成者の調査を指示し、人事当局が文書作成に関与していると思われる複数の職員の公用メールを調査し、個人を特定。元知事から計6回の事情聴取が行われ、公用PCは押収。3月27日、兵庫県知事は会見で、「業務時間中にうそ八百含めて、文書をつくって流す行為は公務員としては失格」という発言をし、元局長は3月末に予定されていた定年退職を保留されています。
また、兵庫県の内部調査に協力した弁護士は、「文書の内容だけを見れば、真実相当性が認められないので、元局長に対する不利益な取扱いは禁止されず、懲戒事由があるから処分は可能だという見解だ」と述べ、法的に問題ないという認識を示しています。
その後、元局長は、既に行っていたマスコミなど第三者への外部通報に加え、兵庫県の公益通報窓口に内部通報をしています。続く5月7日に、元県民局長は3か月の懲戒処分を受け、7月には百条委員会の証人尋問が予定されていました。
そんな中で、一部の委員から告発内容とは無関係の私的な情報の提出を求められているとして、プライバシー保護を申し出るなど、元局長は、公益通報したことによって、人としての尊厳を含め、長年築き上げてきたものが次々と失われていったのではないかと推測されます。
そして、最終的な因果関係を明言することはここではできませんが、7月7日に一つの命が失われました。もしこのことが公益通報から始まる一連の流れと関係しているのであれば、自浄作用を促し、社会をよりよくすることが目的の公益通報によって、このようなことがあってはならないと考えます。
提出された文書の内容がうそ八百だったのか、通報されている兵庫県知事の言動がどうなのかなど、それらの真偽について触れるつもりはありません。しかしながら、公益通報にまつわり、このようなことがあったからこそ、公益通報を行うことで不利益な取扱いを受ける可能性があるのかを少なくとも本県では明確にさせておく必要があると考えます。
また、そもそも公益通報者を保護する要件に真実相当性は必要なのかどうか、マスコミなど第三者への外部通報と内部通報では、保護される、されないと異なるのかどうか、そして何より、本県において公益通報に関する問題は起きないのかという不安から、本県の認識と現状について伺います。
そもそも公益通報の定義とは何か、総合企画部長に伺います。

○議長(有村國俊) 8番野田武宏議員の質問に対する当局の答弁を求めます。

◎総合企画部長(松田千春) (登壇)お答えいたします。
公益通報とは、労働者、退職者、役員が、役務提供先の不正行為を、不正の目的でなく、一定の通報先に通報することでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
ただいまの答弁は、公益通報に関してお聞きしたものです。この公益通報と公益通報者保護法における保護要件を同一のものとして受け取ってしまうことで大きな誤解が生じてしまう可能性があります。
それでは、次に、内部告発と公益通報の違いについて総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
一般に、内部告発とは、労働者等が公益目的の下、外部の監督官庁や報道機関等に対して事業者内部の不正行為や違法行為を開示することとされております。
内部告発は公益の目的であることが要件になっているのに対しまして、公益通報は不正の目的でないことが要件になっておりまして、また、通報先については、内部告発は外部の第三者に対して行うものであるのに対しまして、公益通報は外部通報と内部通報の両方が認められるなどの違いがございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。内部告発と公益通報に明確な線引きがあるということで承知しました。
次に、公益通報の通報者、つまり公益通報に該当する者について、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
公益通報の主体となりますのは、労働者、退職者、役員でございます。
労働者といいますのは、労働基準法第9条に規定する労働者のことでございまして、正社員、派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどをいいます。
また、退職者とは、通報の日前1年以内に雇用元、勤務先で働いていた労働者であった者、または通報の日以前1年以内に派遣先で働いていた派遣労働者であった者をいいます。
取引先事業者の労働者、退職者、役員についても、法の定める一定の要件を満たせば公益通報の主体となります。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
公益通報は、正社員でも、派遣労働者でも、退職後1年以内の者でも、その対象範囲に含むということで、幅が広い通報者に該当することになるかと思います。
それでは、次に、公益通報者として保護してもらうためには、県で設置している公益通報窓口への通報が必須要件になるのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
公益通報窓口への通報が、公益通報として取り扱われる必須条件となるものではございません。
解雇の無効など、公益通報者保護法に基づく保護を受けるためには、同法に定める保護要件を満たす必要がありますが、保護要件は通報先によって異なります。
事業者内部への通報の場合は、通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしていると思料することで足りるのでございますが、行政機関への通報の場合は、通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしていると信ずるに足る相当の理由があること、または、通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしていると思料し、かつ通報者の氏名や通報対象事実の内容等を記載した書面の提出が必要となります。
また、報道機関等その他事業者外部への通報の場合は、通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとすると信ずるに足る相当の理由があることに加えまして、ほかの6つの要件のいずれかに該当する必要があるということでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。たとえ県で設置している公益通報窓口以外からの通報であったとしても、要件に合えば公益通報者として保護してもらえるということで受け止めました。
次に、実名を出しての通報や、自分よりも力を持つ上司への通報は一層勇気が要るものですが、匿名通報や上司への通報でも保護の対象になるのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
公益通報保護法第2条の公益通報の定義に該当しましたら、匿名通報や上司への通報でありましても、公益通報として取り扱われることになります。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)公益通報者保護法第11条第1項および第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施をはかるために必要な指針──以後、有効な実施をはかるために必要な指針と称します──の中では、事業者に内部公益通報対応体制を実効的に機能させるための措置として、労働者等および役員ならびに退職者に対する教育、周知に関する措置を明記し、その中で法および内部公益通報対応体制について、労働者等および役員ならびに退職者に対して教育、周知を行う、または、従事者に対しては、公益通報者を特定させる事項の取扱いについて、特に十分教育を行うとしています。つまり、取扱いや対応について、懲戒処分その他の措置の対象となることを教育、周知することなどの必要性があると考えます。
そこで、県庁として通報者の秘匿性や通報者探索禁止に関する庁内研修の実施は行われているのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
県職員のみならず、市町職員も対象にいたしまして、内部通報を含めた公益通報制度全般に関する研修を開催しておりますほか、研修資料やハンドブックを庁内向けに掲載して周知しているところでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。当事者にならなければ、なかなか興味を持つ機会がありませんが、誰でも急に必要となる可能性があるからこそ、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、2020年の改正で追加された内部公益通報対応体制整備義務について、本県の整備状況を総務部長に伺います。

◎総務部長(岡田英基) (登壇)お答えいたします。
改正公益通報者保護法で義務づけられました内部通報に必要な体制につきまして、本県では、法改正前から、滋賀県職員等の公益通報に関する要綱により、通報窓口の設置など、内部通報に適切に対応する体制を整備していたところでございます。
さらに、同改正におきましては、匿名による通報も実名による通報と同様の取扱いを行うこととされましたことから、要綱の改正を行い対応したところでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。しっかり整備しているということで承知しました。
次に、一般職公務員について伺います。
そもそも事業者向けにつくられた公益通報者保護法ですが、これは公務員にも適用されるのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
公益通報の対象となります法令違反行為といいますのは、犯罪行為などの反社会性が明白な行為でございまして、秘密として保護するに値しないほか、公務員には刑事訴訟法の規定によりまして、犯罪の告発義務が課されています。その趣旨にも鑑みまして、公益通報しても守秘義務に反しないと解されることから、公務員にも適用されると考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
公務員にも適用されるということで、それを踏まえて、県には、民間事業者同様に、公益通報を受けた際の内部公益通報対応体制整備義務が課せられているという認識で問題はないか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
内部公益通報対応体制といいますのは、公益通報者保護法第11条第2項に定めます、事業者が内部公益通報に応じ、適切に対応するために整備する体制をいいまして、常時使用する労働者の数が300人を超える事業者に対し、内部公益通報対応体制の整備が義務づけられております。この事業者の中には行政機関も含まれますので、御認識のとおり、本県においても内部公益通報対応体制の整備義務が課されております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)次に、外部公益通報について伺います。
外部公益通報については、公益通報者保護法ではなく、「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」の第2、用語の解説で触れられています。そもそも、この有効な実施をはかるために必要な指針は、公益通報者保護法の一部を指針の形で構成している法定指針であり、単なるガイドラインではなく、指針に違反した行為は法令違反と評価されると認識しています。
その上で、マスコミや議員など不正を防止する事実上の権限を持つ第三者に文書配付などの外部通報があった場合、公益通報者保護法の対象となるのか、第三者に文書配付などの外部通報があった場合、県としてはどのような対応を行うのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
国で定めました指針では、外部通報を含む広義の公益通報と内部公益通報とを明確に区分していることから、外部通報が当然に内部通報として取り扱われるものではないというふうに考えております。
しかしながら、事業者は、通報を直接受けていない場合であっても、外部公益通報があったことを把握したときは、公益通報者保護法の趣旨を踏まえまして、把握した情報を公益通報として取り扱わなければならないものと解されておりまして、制度にのっとり対応することになります。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
つまり、内部も外部も、公益通報においては、基本的には、まずは対応体制が整備され、その上で公益通報者の保護を図るので、内部通報だから保護される、外部通報だから保護されないというものではないということで受け止めました。
次に、滋賀県公益通報(行政機関としての県に対する労働者からの通報)事務処理要領第6の4、通報の不受理等で、次のいずれかに該当する通報は、公益通報として受理せず、情報提供として受け付けるものとするとあり、その中の④で、法に基づく通報者以外からの通報(匿名通報を含む)とありますが、さきにお聞きしたとおり、匿名通報は対象として認められると考えます。こちらの内容について、本県の認識を総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
御指摘のとおり、匿名の通報でありましても公益通報に該当する場合がございます。事実関係の確認などに際して、通報者の連絡先が不明でやり取りが困難な場合は、情報提供として取り扱うことがございますので、そのように記載しておりますけれども、誤解を生じる場合もあるかと思いますので、要領を改正いたします。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。法が複雑だからこそ、匿名の通報も含むというワードだけ見ると、誤解が生まれやすいので、ぜひともよろしくお願いいたします。
本県において、公益通報をしようと思い、ウェブサイトをのぞいた際に、公益通報者保護法のおしらせ(行政機関として県に対する労働者からの通報)という行政機関への通報の案内しか見つけることができません。
こちらの通報は、あくまで県がどこかの企業で働く労働者等から権限を持つ行政機関として通報を受ける場合の内容で、本県職員が役務提供先、つまり職場の不正行為を通報する際の情報を見つけることができませんでした。ただ、外部から閲覧できない職員向けのサイトには、知事部局各種相談窓口についてというページがあり、そこに内部通報についての窓口が記載されていると仄聞しています。
しかしながら、例えば、あってはなりませんが、不同意性交などの被害に遭ったことで、その精神状態から県庁に来れない状態になってしまったり、退職してしまう可能性は否定できません。ここで退職を挙げたのは、退職後1年以内という公益通報者に該当する者になるという話を先ほど聞かせていただいたからです。
さて、そのような方は、県庁外部から閲覧できないサイトにはアクセスできないことから、担当窓口への連絡先を知ることは難しいと考えます。特にフリーメールなどを活用することで、個人が特定されにくいことから最も安心感のある通報方法であるメールの送付先アドレスが分からない可能性は非常に高いと言えます。
そこで、本県職員が滋賀県庁のネット環境もしくはPCからしか閲覧することができない知事部局各種相談窓口についてのページについて、外からも閲覧できるようにすることが必要かと考えますが、総務部長に伺います。

◎総務部長(岡田英基) お答えいたします。
通報窓口につきましては、職員向け掲示板等に掲載するとともに、職員に配布しております滋賀県職員コンプライアンス指針の中で、職員を守るための相談窓口として掲載するなどにより周知しているところでございます。
一方で、議員御指摘のように、職員以外の方も情報を確認できることが望ましいことから、今後、県ホームページにおける周知につきましても検討してまいりたいと存じます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。滋賀県の場合は弁護士などの窓口も設けていますが、一つでも安心と思える窓口をよろしくお願いいたします。
次に、滋賀県公益通報(行政機関としての県に対する労働者からの通報)事務処理要領について伺います。
第6の5、受理などの通知等で、様式1により県民活動生活課へ報告するものとあるが、同ページに様式1が見当たりません。様式1はどのようなものか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
事務処理要領に定めます様式1は、通報者から聞き取った内容や受理状況を記録するようになってございまして、通報者への説明事項について説明漏れのないようにチェックシートも掲載しております。
通報を受けた職員が作成するものでございまして、県内部で使用する報告様式であることから、県のホームページ等には掲載しておりません。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。誰に向けられてつくられた情報で、誰が閲覧可能なのかの違いから生じている細かいところかと思いますが、この件に関しては、情報を必要としている人は、その問題から比較的冷静ではない可能性をより考慮していくべきと考えます。少しでも分かりやすく疑問や不安に感じる要素を一つでも減らすことが安心して公益通報することにつながりますので、これを機にぜひとも表示方法などを含めた全体情報のアップデートや見直しも行っていただければと思います。
次に、ウェブサイトなどに掲載されている公益通報(行政機関としての県に対する労働者からの通報)処理の流れに記載されている内容について伺います。
こちらの図の上部には、受付内容として、消費者庁ホームページ掲載の通報対象となる法律一覧に掲載された法律のうち、滋賀県が通報先となる法律のみという記載があります。実際にのぞいてみると、通報対象となる法律一覧は、約500本近い法律が掲載されていて、通報者にとって滋賀県が通報先となる法律かどうかの判断はかなり難しく、この記載によって通報へのハードルが上がってしまうのではないか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
県のホームページに掲載しております公益通報処理の流れには、所管窓口や通報の対象などが分からない場合は、広報課が担当しております県民相談室に通報いただくよう記載しております。県に処分等の権限がない場合は、権限を有する機関に教示するとも記載しております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
次の質問に移ります。
例えば、県議会議員やマスコミに文章配布という形で外部公益通報があった場合、県に対して報告要請や取材等があって初めて調査が行われることが通常かと思います。その調査の内容は、通報内容の事実関係に関する調査であり、それが外部のみならず内部公益通報であった場合でも、通報者を探索する行為は原則禁止になると考えますが、本県の認識を総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
議員御指摘のとおり、マスコミ等への外部通報があった場合でも、公益通報に該当する限り、国の定める指針によりまして、事業者には通報者の探索の防止するための措置を講ずる義務があるというふうに解しております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。ここは大変重要で、法によって決まっている当たり前のことのようにも感じますが、通報者の探索は事実関係の調査に必ず必要なものではないので、むしろ行ってはいけないことになっています。ただ、やり取りの中で身分を明かしてくれたり、そもそも身分が明かされた通報もあるということです。少なくとも本県では、公益通報があった際、いきなり通報者の探索が行われることはないという認識を持てたので安心しました。
事実関係の調査を行った際、情報の範囲外共有や通報者の探索行為は懲戒処分の対象となるからこそ、調査内容の取扱いには十分気をつける必要があります。そこで、範囲外共有の禁止に向けて、通報事案に係る記録や資料の施錠管理、電子媒体への操作や閲覧履歴の記録ができるようになっているのか、規定において権限を明確にしているか、まずは外部通報の所管課である総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
県公益通報事務処理要領第9におきまして、管理台帳を作成するとともに、各通報事案に係る記録および関係資料について、公益通報者の秘密保持に配慮して適切な方法で管理しなければならないと規定しておりまして、処理に従事する職員の範囲を限定しております。
議員御指摘のような資料の施錠管理や、電子媒体への操作、閲覧履歴の記録といったことまでは記載しておりませんが、文書管理や個人情報の管理などと同等の扱いをしております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
次に、内部通報は総務部になるので、併せて同じ質問を総務部長に伺います。

◎総務部長(岡田英基) お答えいたします。
本県の内部通報制度では、要綱におきまして、通報等に係る記録および関係資料を通報者などの秘密保持に配慮しつつ適切な方法で管理するとしており、記録や資料の管理には細心の注意を払いながら対応しているところでございます。
具体的には、通報事案に係る記録は施錠管理できる戸棚で保管いたしますとともに、電子データは閲覧者を限定することにより厳重に管理しております。
なお、電子データへの閲覧履歴等は記録されておりまして、閲覧者を確認することが可能となっております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。特にデジタルデータの取扱いについては、これからアクセスログ管理が欠かせなくなっていくと思われますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、労働者の家族などの第三者が通報した場合、その労働者は公益通報者保護法の規定による保護の対象となるのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
公益通報者保護法では、労働者等が公益通報した場合の保護を定めておりまして、労働者等以外の者が通報した場合には保護の対象とはなりません。
ただし、労働者の家族などの第三者が、労働者本人の承諾の下で本人の意思に基づいて通報を代行している場合は、その労働者は同法の規定による保護の対象となり得るというふうに解釈しております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。家族などの近しい方が通報を代行している場合でも保護の対象になり得るということで安心しました。だからこそ、さきに質問させていただいた滋賀県庁のネット環境からしか閲覧することができない知事部局各種相談窓口についてで掲載されている内部通報のページについては、一般の人でも閲覧できる情報として、本県のウェブサイトに掲載するなどの対応を引き続き御検討いただけるということですけど、よろしくお願いいたします。
その上で、ただいまお答えいただいたことに関連して伺います。
家族などの第三者でも通報を代行できるということですが、たとえ家族であっても当事者ではない第三者が通報した場合は、その真実相当性が低いと思われてしまう可能性は否定できません。そこで、冒頭にお話ししていた疑問ですが、そもそも公益通報の要件に真実相当性が必要となっているのか、総合企画部長に伺います。

◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
公益通報者保護制度では、通報対象事実が生じ、またはまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当な理由があることというのを真実相当性というふうに呼んでおります。
この法の労働者等が、役務提供先の不正行為を、不正の目的なく、一定の通報先に通報するという定義に該当する限り、その通報は公益通報として扱われるため、真実相当性の有無にかかわらず、事業者は通報者に対して不利益な扱いをすることはできないというふうに解釈しております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。公益通報の要件には真実相当性は含まれていないということで確認できたかと思います。ここは、兵庫県の百条委員会に招致された公益通報に詳しい弁護士も同じことを言われています。
最近の報道を見ていると、どうしても真実相当性が公益通報の要件であると誤解しているように見受けられるものが多々あります。しかしながら、真実相当性は通報者の労働者としての地位を保護するために必要であり、公益通報に該当するかどうかとは無関係なものという大変重要な認識を少なくとも本県では持っているということを確認することができました。
本来は権限を有する行政機関、事業者内部、マスコミや議員などを含むその他事業者外部という指定された3つの窓口に届いたものは、不正を目的としたものでなければ公益通報として扱われます。つまり、公益通報を受けた場合には、事業者の規模などにもよりますが、おおむね対応体制整備義務が課せられ、対応する者は、罰則によって、調査を行った際の情報を範囲外共有することや、通報者の探索行為を原則行ってはならないということになっています。これは、指示した者だけではなく、実際に行った者も対象となることを留意しておく必要があります。
さきの質問からも少しだけ見えましたが、法改正される中でなのか恣意的なのかは分かりませんが、公の場で少なくとも本県の認識とは異なる認識の発言がされている現状があります。しかしながら、本来の公益通報、そして公益通報者保護法制定の趣旨からして、通報者に不利益があってはならないのは明白です。法の解釈にそんなことは頻繁に起きるものではないではなく、少なくとも実際に起きている事実を受け止めて、本県でよりよい体制や仕組みづくりにつながればと思います。
それでは、最後の質問に移ります。
いたずらのような通報が増えることは決して望ましいことではありませんが、公益通報や公益通報の保護要件を複雑なものだと勘違いし、自分の立場が脅かされるのではないかと不安に感じてしまうことで、本当に苦しんでいる人からの公益通報が減ってしまうことを危惧しています。だからこそ、最後は公益通報にならない通報についてお聞きします。
一般職の地方公務員は、公益通報をしたことで地方自治体から不利益な取扱いを受けないことが公益通報者保護法9条に記載されていますが、通報した内容が公益通報とならない場合があります。
例えば、パワハラは労働施策総合推進法、セクハラは男女雇用機会均等法においてそれぞれ規定されていますが、いずれも犯罪行為もしくは過料対象行為または最終的に刑罰もしくは過料につながる法令違反行為とされていないことから、これらの法令違反についての通報は公益通報の要件を満たしません。
しかしながら、これらのハラスメントが暴行、脅迫や強制わいせつなどの犯罪行為に当たる場合は、公益通報に該当し得ることを考慮すると、通報者がその辺りの細かい法認識を持った上で通報するのはかなり困難なことだと推測されます。
しかしながら、それでは公益通報をし、結果的に刑事罰につながらない違反行為と結論づけられた場合は、公益通報者保護法で保護されず、不利益な取扱いを受ける可能性があるのではないかと考えます。
そこで、要件を満たさない通報について、通報者が保護されるケースがあるのか、滋賀県の認識を総務部長に伺います。

◎総務部長(岡田英基) お答えいたします。
本県の内部通報制度では、公益通報者保護法において、通報の対象となる法律以外の条例、規則などを含む法令違反等も対象としておりまして、公益通報者保護法上の要件よりも幅広い通報を対象とした上で通報者を保護しているところでございます。職員が安心して通報ができる制度として、引き続き運用してまいりたいと存じます。

◆8番(野田武宏議員) 終わります。(拍手)

○議長(有村國俊) 以上で、8番野田武宏議員の質問を終了いたします。

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