Blog活動日誌

2024年8月3日 令和6年6月定例会議06月28日一般質問全文

◆8番(野田武宏議員) (登壇、拍手)御存じのとおり、1981年、びわこ国体をテーマに、「水と緑あふれる若さ」をスローガンとした第36回国民体育大会が本県で開催され、年齢に関わらず県民が一丸となり、湖上輸送など湖国ならではの創意工夫を行ったことで、内容豊かで実りある国体として好評を博したと仄聞しています。
 それから44年の月日を経て、来年──2025年には、国民スポーツ大会──以下、国スポという──と名称を変更した国内最大のスポーツの祭典が本県に帰ってきます。あわせて、2001年から全国身体障害者スポーツ大会と全国知的障害者スポーツ大会を統合して始まった全国障害者スポーツ大会──以降、障スポという──も開催することで、スポーツの普及や地域振興だけでなく、障害の有無に関わらず、誰もが共に楽しめる社会の実現に向け、理解を深めていくことができる大きな機会となることは間違いありません。
 いよいよ開催まであと457日と迫った国民スポーツ大会。そこで、通告に従いまして、国スポ・障スポ大会について、全て文化スポーツ部長に一問一答方式で伺います。


 初めに、各競技のネット配信についてです。
 前回のびわこ国体との大きな違いは、テクノロジーの進化による情報通信技術、いわゆるICTの普及です。実際に現地に来て試合を見たり、テレビなどで、選択された一部の試合しか見ることができなかった時代から、今では運営側が環境を整え、発信することで、自宅からでも試合を観戦することができます。
 そこで、現在、県内のスポーツイベントや大会においてネット配信を行っている事例、その手法を文化スポーツ部長に伺います。

○議長(有村國俊) 8番野田武宏議員の質問に対する当局の答弁を求めます。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) (登壇)お答えいたします。
 本県で開催されているびわ湖マラソンおよび全国中学校駅伝大会につきましてはユーチューブ等による配信を実施しておりまして、直近の大会のユーチューブ視聴回数では、それぞれ約2万8,000回と1万9,000回でございます。それ以外にも、バスケットボールのBリーグ所属の滋賀レイクスやサッカーJFL所属のレイラック滋賀FCの試合などがネットで配信をされているところでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。どのスポーツでも、少しでも興味を持ってもらい、競技人口やファンの創出につなげるために、少しずつネット活用が進んできていることがうかがえます。
 次に、技術的、インフラ的な準備状況について伺います。
 現在では、スマートフォンで撮影した動画を誰でも気軽に配信することができます。少し前では考えられなかった、誰もが情報発信をするメディアの役割をすることができる中で、県として配信をする際には、安定した配信に向け、最大限の準備を欠かすことができません。
 そこで、国スポのネット配信を実施するための環境は整っているか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 国スポでは、公益財団法人日本スポーツ協会のインターネット動画配信サービス「国スポチャンネル」におきまして競技映像を配信することとされておりまして、配信に当たりましては、競技会場での撮影やサーバーへのデータ伝送等の技術、インターネット回線の敷設や電源の確保等、それぞれの競技会場に応じた対策が必要となります。
 本県の配信に当たりましても、今後、各競技会場に応じた具体的な撮影方法や必要な設備、人員体制等も含めて検討を進めてまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 続いて、予算およびコストについてです。
 技術的な準備と人員配置を行い、ネット配信を行うためにはどの程度の予算が必要か、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 「国スポチャンネル」におきまして、先催県の事例を参考に、式典および正式競技の決勝戦を基本として配信を行う場合、試算では1億円程度の費用が必要と見込んでおります。今後、各競技会場の通信環境等を調査の上、技術的な準備や人員体制の検討を重ね、必要な費用を精査してまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 先催県の一般的な仕組みの中で、ネット配信を行うための予算を安いとは言えません。また、国スポの動画配信で欠かすことのできない「国スポチャンネル」の配信に係る費用も安くないものと仄聞しています。しかしながら、時代に合わせた国スポや障スポの次のステージを考えたときに、ネット配信を欠かすことはできないと考えます。
 そこで、現時点で予定されている、今年開催の佐賀大会の計画を含め、先催県における国スポのネット配信を実施した事例について、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えします。
 令和元年の茨城大会から、「国体チャンネル」において式典および正式競技の決勝戦を基本に映像が配信されております。今年の佐賀大会におきましては、正式競技の全試合について映像配信を予定されているところと聞いております。
 大会のネット配信は、会場に足を運べない方々にも競技を観戦していただくことが可能になり、大会PRにつながるツールであると認識しておりますが、一方で、配信に当たっては多額の費用が必要となりますので、費用対効果等も踏まえた検討が必要になると考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)さきに述べたびわこ国体との大きな違いが及ぼした変化に伴うウェブやソーシャルメディアの普及によって、ペイドメディアに依存するマーケティング戦略は大幅な見直しが求められるようになりました。広告を通じてブランドを構築することは困難となりつつあり、自社サイトや店舗、製品パッケージ、自社の従業員といったオウンメディアやマスメディア、ネットメディア、ソーシャルメディアなどの評価を受けるメディア、いわゆるアーンドメディアにも注目が集まり、広報戦略も当時とは大きく異なってまいります。
 さらに、ネット配信を活用することで、商品の販売だけでなく、スポーツ観戦の楽しみ方も新たな価値が生まれています。ネット配信を通じて、試合のライブ中継やハイライト、選手インタビューなどをリアルタイムで共有することでファンとの双方向のコミュニケーションが可能となります。これにより、スポーツイベントの臨場感を自宅で楽しめるだけでなく、即時のフィードバックを得ることで、より魅力的なコンテンツづくりが実現できます。
 このように、スポーツ観戦の新たな形態として、その重要性を増しているネット配信ですが、国スポを広く周知するための広報戦略としてネット配信を組み込むことで、どのような効果が期待できると考えているか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 ネット配信により、これまで会場でしか味わうことのできなかったスポーツの面白さにどこからでも気軽に触れていただくことは大会の発信につながることと考えております。また、映像を通して、滋賀の豊かな自然環境や充実した競技施設など、滋賀の魅力を多くの方に知っていただくきっかけとなることが期待できると認識しております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ネット配信という新たな入り口が1つでも増えることで、別の切り口からの広報も可能になると考えられます。
 次に、障スポについて伺います。
 まず、現状の障害者スポーツの配信状況についてです。さきの質問でお聞きしたスポーツ大会の配信ですが、その中で、県内で開催された障害者スポーツイベントや大会におけるネット配信事例があるか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 県内の障害者スポーツイベントや大会をネットで配信している事例は承知しておりません。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 障害者スポーツにおける大会は、移動や準備に比較的大きなエネルギーが必要となる参加者とその家族、関係者にとって非常に重要なイベントです。選手たちの努力や成果を共有することは感動や喜びを分かち合う貴重な機会ですが、当然、現場に足を運ぶのが困難な場合も少なくありません。貴重な機会を共有するせっかくのチャンスに、現地に来れなくても、ネット配信を活用すれば、遠くにいる家族や友人など1人でも多くの関係者に選手たちの奮闘をリアルタイムに近い形で共有することができます。
 そこで、障害者スポーツ大会の関係者や参加者、その家族からネット配信に対する要望はあるか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 障害者スポーツ大会の関係者等から障スポ大会のネット配信に対する御要望は伺っておりません。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)デジタルトランスフォーメーションが進んでいることや、障害者スポーツ以外ではネット配信が広がっている現状がある一方で、障害者スポーツ大会ではネット配信が行われていない状況は、ネット配信に対する要望がない現状が、イコール望んでいる関係者がいないということではないと推測できます。具体的な要望はどの程度、存在するのか、ヒアリングを行うなどしながら、こういったところにも光を当てながら本県の障害者スポーツも次のステージに向けて進めていただきたいと思います。
 次に、技術的、インフラ的な準備状況について伺います。
 さきの質問で国スポ・障スポについてお聞きしていますが、障害者スポーツ大会のネット配信を実施するための環境は整っているか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 障スポ大会の競技映像の配信に当たりましては、「国スポチャンネル」のように主催者から指定されている動画配信サービスはなく、ネット配信を行う場合は、国スポ同様の技術的な準備に加え、独自に動画配信の仕組みが必要となります。
 本県におきまして、障スポ大会の競技映像を配信する場合に必要な設備や人員体制等は、各競技会場の通信環境や配信競技数等を踏まえて、今後、検討することになると考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 配信の指定サービスがないということで、自由度が国スポよりも比較的高いのかと思います。当然、予算面でもそこの縛りが薄くなってくるのかと思います。
 ほかの面で国スポと障スポで大きく変わらないであれば、1つの準備で2つの効果が得られるのではないでしょうか。設備の問題や体制づくりなどの課題もあると思いますが、先催県の事例や今年開催の佐賀県の状況から今の流れを知ることも大切だと思います。
 そこで、先催県で障害者スポーツ大会のネット配信を実施した事例はあるか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 先催県では、競技解説を主な目的としまして、音声配信をグランドソフトボール競技において実施された事例はありますが、競技映像をネット配信された事例は承知しておりません。
 なお、今年開催の佐賀大会におきましては、新たに、障スポの正式競技の全試合について映像配信を予定されているところでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 佐賀で全試合配信を予定しているということで、さきに開催された県で行われ、本県では行われないということになった際に、関係者から落胆の声が出てこないか、注意していく必要があると考えます。
 今月22日、23日と滋賀県希望が丘文化公園で行われた、わたSHIGA輝く国スポラグビーフットボール競技リハーサル大会に伺い、スポーツ専用AIカメラによる無人自動撮影によるスポーツDXソリューションの実証実験を見学してきました。様々なカメラがありましたが、その一つに、左寄り、中央、そして右寄りで撮影した3つの動画を瞬時に1つに合わせ、フィールド全体を1つの動画にする機能を持ち、ボールを持った選手を自動で追尾するだけでなく、ボールが例えば高く上がった際にはボールだけが映っているような状況になってしまうので、寄り過ぎないアングルに切り替えるなど、それぞれの競技に応じてルールを学習し、最適な形の撮影を自動で行うAIの進歩に驚きを隠せませんでした。
 わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会の会長である三日月知事と民間企業が連携し、試験的に行われたこちらの実証実験を見て、本県としても、ネット配信に向けて着実に前に進んでいることを実感し、実証実験だけで終わることなく、国スポや障スポでは実用化することができると感じました。
 費用面でも、張りつきとなる人件費の大幅な削減が期待できます。実際、現地では、私が訪れたのは23日なんですけど、たった1人でそれを動かしていました。
 また、この技術革新は、AIカメラによる映像配信の有用性だけではなく、応援コミュニティープラットフォームによる情報発信によって、ネットを通じた新たな関係性の創出も期待され、配信映像を通じた関係人口づくりや開催地の魅力を発信することもできますし、環境整備が進むことにつれ、そのシステムを活用し、遠方にいる有名な指導者による部活指導にもつなげることができます。
 さきの冨波議員の質問でもありましたけど、部活動の地域移行による地方の指導者不足解消に対する新たな施策にもつながるという意味で、国スポ・障スポ以降でも活用できる可能性が大いにあります。
 これらを踏まえ、国スポ・障スポのネット配信を行うことについてどのようにお考えか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 ネット配信は、見る、支えるという立場でもスポーツに参加できる有用なツールであると認識しておりまして、ネット配信を通じて国スポ・障スポ大会を身近に感じ、スポーツに関心を寄せていただくことは県民のスポーツ振興につながるものと認識しております。
 本県における国スポの配信や、加えて、障スポでの配信、また、議員が質問でも触れていただいたAIカメラの活用については、各競技会場の環境や配信方法の制約、さらには費用対効果等も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 強豪校を倒すジャイアントキリングが起きたことが大きなニュースになったことや、好きなミュージシャンが競技とコラボしたCM応援ソングに使われているなど、スポーツに興味を持ってもらうきっかけは、決してスポーツを行うことだけではなく、ささいなことから始まると考えます。
 また、近年、新たな観光地になっているところはSNSを中心としたネット配信からというケースも多く見られます。ネット配信をすることは、来県者が減るのではなく、今まで開催地に行くことができなかった競技関係者や家族とつながり、滋賀の魅力を伝え、滋賀に訪ねてもらうきっかけを生むことになると考えます。
 また、甲子園などでも、自分が負けた高校を応援していくケースを頻繁に耳にします。負けたからそこで終わりではなく、その思いを次に託し、託した相手の試合を見守っていく、そうやって関係性を継続していくからこそ思いがつながり、決勝戦や準決勝という盛り上がりが最高潮に近づく試合を観戦してみたいという思いが強まるのではないでしょうか。そういう意味で、決勝のみの配信などというふうになると、どうしてもストーリーの連続性が失われてしまうのではないかなと思います。
 過去のびわこ国体では選択肢としてなかったICT技術の活用が、人件費の削減や県民の日常生活における豊かさ向上にもつながっていく可能性は否定できません。スポーツのみならず、教育、福祉、医療、観光など全ての分野でデジタルトランスフォーメーションの流れは止まることがないと言われているからこそ、ぜひとも大会における発信をきっかけとして、本県の新たなデジタルトランスフォーメーションにつなげていただきたいと思います。
 さて、国スポ・障スポ大会、特に障スポ大会には、選手を中心に、多くの障害のある方々が本県を訪れることが予想され、社会福祉の父である糸賀一雄さんにゆかりの深い本県としては最大限の合理的配慮は欠かすことができません。
 そこで、障スポ大会において、どのような障害のある選手や関係者が訪れると想定しているのか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 全国障害者スポーツ大会には、大会競技規則に定められた障害区分に応じまして、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、知的障害、精神障害等の障害のある選手およびその関係者が参加されます。
 なお、昨年の鹿児島大会におきましては、延べ人数で、選手、監督2万2,745人、競技役員、ボランティア等の大会関係者4万5,818人、一般観覧者2万2,096人、合計で9万659人の参加があったところで、本県においても同程度の参加を見込んでおるところでございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 9万人ほどという大きな数字をいただきましたが、次に、確保している宿泊先情報から、競技会場までの移動時間で最も長い時間はどれぐらいを想定しているのか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 現在、客室確保と併せて配宿先の調整を進めておりまして、宿泊施設から競技会場への最長の移動時間は現時点では不明でございますが、競技特性に応じて、選定した宿泊施設のうち競技会場に近い施設から配宿するなど、移動に係る選手への負担が軽減されるように努めてまいる所存でございます。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)御回答、ありがとうございます。
 宿泊施設の確保状況や移動時間についての詳細をお聞きできて、計画が進んでいることがよく分かりましたが、まだまだ未確定な部分が多いということで、ぜひとも引き続き御尽力いただければと思います。
 移動時間の短縮に最大限の配慮をしていくことは、参加者の快適さに直結するため、非常に重要だと感じています。多くの先催県でも快適に過ごしてもらうために、問題が発生しないよう準備を進めてきたと思われますが、それでも想定外の事態が起きてしまうことは多々あります。ただし、少なくとも先催県でも起きた問題が再び起きることのないようにすることで1つでも問題を減らすことができます。
 そこで、先催県で、障害のある方々が宿泊した際に発生した想定外の問題について確認されているか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 開催県は、選手団の派遣元に対し、あらかじめ希望する宿泊支援用具等の調査を行っておりますが、宿泊の際に宿泊支援用具等に不足があるとの申出があって、急遽、手配したような事例があったと聞いております。
 今後、選手団の派遣元から宿泊申込みを行っていただくことになりますけれども、その際には、宿泊支援用具の必要数を正確に申し出ていただくように、改めてお願いしてまいりたいと考えております。
 あわせて、本県では一定数の予備を確保するなどの対応を行い、参加者が宿泊される際に不便を感じられることのないように準備してまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 先催県での経験を踏まえ、本県でも同様の問題が発生しないように対策を講じることが重要だと感じています。特に、事前に可能な限りの準備を行い、障害のある方々が安心して宿泊できる環境を整えることは体力回復にも影響しますので、試合結果にもつながるという意味において大変重要です。引き続き、よろしくお願いします。
 障害者スポーツにおいては、スポーツの知識や経験だけでなく、障害者福祉についての知識や経験も併せて持つ必要があり、既に行われているように、県庁内でも部局間を超えた連携を行っていくことで、小さな問題を含めた障壁を1つでもなくし、関係者の満足度を上げていくことができます。
 そこで、障害者について詳しい関係者とスポーツについて詳しい関係者の連携はどのように行っているのか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 大会の開催に向けまして、障害者スポーツ協会や各競技団体等に国スポ・障スポの実行委員会へ御参画いただきまして、様々な場面で、専門的な立場から御意見や御助言をいただいているところでございます。例えば障スポ各競技会場では、障害者団体と競技団体の参加の下、バリアフリー調査を実施するなど、各団体が有する知見や経験を会場設営に反映できるように取組を進めており、引き続き、関係団体としっかり連携を図ってまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 障害者スポーツ協会との連携がしっかりと行われていることを確認できて、大変心強く思っています。専門知識をお持ちの皆さんと協力し、小さな問題でも事前に共有し、より関係者の満足度が高い大会を目指していただきたいと思います。
 満足度について考えると、試合後の本県における観光や飲食に対する満足度の向上は、もう一度、本県に来たいと思ってもらうためには非常に重要です。しかしながら、障害のある方、特に車椅子を利用している方がバリアフリー対応の店舗を探すことは大きな障壁の一つとなっています。アプリなどを活用した民間サービスなども進んではいますが、そこまで無事にたどり着けるかどうかの情報入手は容易ではありません。
 そこで、県として、地域と連携し、バリアフリー対応ができている店舗を分かりやすく知ってもらうための仕組みをどのように考えているか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 障害のある方も観光や飲食を一層楽しんでいただけるよう、庁内関係部局におきまして、障害者関係団体との連携により、県内の観光施設や飲食店などと、そのうち一部については周辺道路の状況も含めましてバリアフリー調査を行い、結果を当該団体や県のホームページで公表する予定でございます。
 加えまして、大会実行委員会におきましても、競技会場やその周辺の飲食店等に関するバリアフリー情報やアクセス情報等を掲載した冊子を作成予定でございまして、来県された方々が滋賀の魅力やおもてなしを堪能いただけるよう、情報発信を進めてまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) (登壇)ありがとうございます。
 競技関係者の皆さんが、試合が終わった後にちょっと一杯飲みに行きたいみたいな形で打ち上げなどを考えた際に、大会の中ではストレスなく行われていたにもかかわらず、その後、滋賀県に、飲食などを楽しもうと思ったときにストレスを感じることが最後の最後でネガティブなイメージにならないようにぜひとも御注意いただき、これからも御尽力いただきたいと思います。
 階段しかない場所では車椅子を使っている人にとって障害が生じますが、高い壁がある場所では、車椅子を使ってない人でもその先に進むことができず、同様に障害が存在することになります。しかしながら、これらの問題はエレベーターやはしごの設置で解決することができます。この問題解決の方法は1976年にUPIASという組織によって発表されたもので、「障害は物理的な障壁や社会的な排除によって生じるものであり、それらを取り除くことで障害を解消できる」とする、いわゆる障害の社会モデルとして知られています。この考えに基づき、国でも障害者差別解消法やバリアフリー法などの法律が整備され、障害のある方々が生活しやすい環境づくりが進められています。
 また、本県でも、この考えを取り入れた滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例を制定し、障害のない共生社会を目指しているからこそインフラ整備を行い、障害の社会モデルに基づく解決をさらに進めていく必要があるのではないでしょうか。ぜひとも、国スポや障スポ開催を契機に、誰もが安心して快適に楽しめるよう、現地に行かなくても参加できるネット配信やバリアフリーなまちづくりを進め、大会の満足度を高めていただければと考えています。あわせて、大会終了後には、今後の県政に生かせる多くの学びや改善点を直接のフィードバックとして得られると考えます。
 そこで、最後に、大会終了後には参加者からアンケートを取り、その結果を今後の県政に生かしていく予定があるか、文化スポーツ部長に伺います。

◎文化スポーツ部長(東郷寛彦) お答えいたします。
 国スポ・障スポ大会は、全国から選手、役員をはじめ観客など様々な方々が参加されることから、単にスポーツの祭典というだけでなく、大会に参加された方々が感じられた点を観光、地域の活性化や共生社会の実現など、これからの滋賀づくりに生かすチャンスであると認識しております。
 このことから、大会に併せて、参加された皆様にアンケートを実施しまして、御意見や感想などの貴重な声を庁内でも共有し、今後の県政、そして滋賀の新たな時代の創造につながるレガシーづくりに生かしてまいりたいと考えております。

◆8番(野田武宏議員) 終わります。(拍手)

○議長(有村國俊) 以上で、8番野田武宏議員の質問を終了いたします。

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